(2020.10.18)
今年。
殆どの方がコロナウィルスの影響を受けた年といえると思います。
『新しい生活様式』という言葉をよく耳にすることもありました。
振り返ってみて、
この書籍が頭に浮かび、昨夜もう一度手に取ってみました。
写真からの印象は、
チベット文化圏に属しているので、インドっぽくなく思う方が多いと思います。
かつて(1840年代まで)は、ラダック王国という独立した仏教国でした。
約1年前にラダックを訪問する前に書いた記事ですが、
今まさしく。
コロナウィルスの影響を受けている我々人類が、
幸せに生きていくためのヒントが詰まっている本だと思います。
人間にとって幸せとはなんだろう?
って自問自答することの多い最近です。
幸せってひとそれぞれ違うわけだし。
時の流れによっても変わるもので、
今の自身が幸せって感じているかどうか。
そこに帰結するんですね。
その幸せって感じている瞬間。
日々。
点が線になり面となっていく用に、
継続出来ている日々。
その先。
どんな死に方をするのだろうか。
そのためには、何を日々すればいいのだろうかと。
なーんてことを、
意外かもしれませんが。
大真面目に考えている小生でございます。(笑)
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(過去記事)
(2019.09.12)
今週末からラダックに行きます。
ラダックとは、インド、ジャンムー・カシミール州東部地方の呼称です。
◇ラダック地方
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%83%E3%82%AF
予備知識はあってもなくとも。
本書を手にとってみたくなり、一気に読みました。
懐かしい未来ってタイトルに惹かれました。
興味深い内容が満載でした。
旅行に行かずともいい内容だと思うし、
実際現地に行くので色んな意味で感慨深く思うと確信するような本でした。
響いた箇所をピックアップしながら書いてみました。
(文章だけなので、少々読みづらい点ご了承ください)
■ラダックは、チベットや他のヒマラヤと同様、何世紀ものあいだ、外界の影響をほとんど受けることもなく、自足的な生活が営まれてきた。
■大多数のラダックの人びとは自給自足の農民であり、高地の砂漠に散在する小さな集落に暮らしている。
それぞれの村の大きさは、山からの融雪水の量によって決まる。
■厳しい環境で生存し続けてきたラダックの人びとの「倹約」という言葉の意味は、少ないものからより多くを得て「実り多い」という本来の意味の「倹約」なのである。
:この倹約の本来の意味をはじめて知り、言葉の意味を知ることの面白さを感じました。
■ラダックの人びとは幸福感、生命力、精神力にあるれている。
体つきはほとんどみんな均整がとれていて、健康的である。老人は死ぬその日まで活動している。
:これは理想的ですね。
懐かしい未来というタイトルに繋がる将来へのヒントがあると思います。
■伝統的な暮らしでは、ストレスを感じることがほとんどなく、心の平安を維持している。
日々の暮らしにくつろぎがあり、穏やかである。
澄んだ空気を吸い、規則的に長い時間、体を動かす毎日があり、
精製していない丸ごとの食べ物を口にしている。・・・
最近まで環境汚染などまったくなかったと言ってよい。
:興味深い事実ですね。
■老人は生活のあらゆる面に参加している。
ラダックの老人は、いくつになっても引きこもったり、用なし、
ひとりっきりになることはない。
死のその日まで、村の社会の重要な一員なのである。
高齢とは、永年の貴重な経験や知恵を意味している。
:人生100年時代や高齢化社会の自身の在り方を考えさせられます。
■観光がラダックの物質的な文化におよぼす影響は、
広範囲に混乱をもたらしている。
より重要なのは、人びとの心に与える影響である。
:人びとの意識はとても大切に思えます。
■西洋人の目にはラダックの人びとが貧しく映る。
擦り切れた毛織の服、犂を引くゾー、不毛の大地など観光客は文化の物質的な面を見ているに過ぎない。
心の平安であるとか、家族や村の人間関係のありようなどは見ることができない。
ラダックの人びとの心理的、社会的、精神的な豊かさを見ることができないのである。
:貨幣経済の問題点を感じざるを得ません。
■はじめ人びとは、新しい経済が依存を生み出すことに気づいていなかった。
■今ではラダックの人は、昔ほどお互いのため、
あるいは自分のための時間が少なくなっている。
そのせいか、自分を取り巻く世界に対する繊細な感覚、たとえば、
天気や星の動きのわずかな違いを見分ける能力など失いつつある。
■変わりゆくラダックが教えてくれた大切な教訓のひとつは、
近代世界の道具や機械が時間を節約する一方、
全体的に見ると、新しい生活様式は時間を奪い去ってしまう、ということである。
■文化崩壊の原因は、近代社会との接触によって生み出される劣等感である。
かつてラダックの人たちは、精神的にも物質的にも自足していた。
■ラダックや、近隣のヒマラヤの王国、ブータンの状況は、
人間の幸福を金銭だけで計ることの欠陥をはっきり示している。
■進歩的な人たちは石臼で挽いた全粒粉小麦のパンを食べている。
服は100%天然素材とか純毛などとラベルに書いてある。
アメリカの先端の生活は、ラダックの伝統的な生活にとっても近い。
■ラダックからのもっとも重要な教訓は、幸福というものに関することであった。
これは私あゆっくりと学んだものである。
時間をかけて先入観のベールを何枚もはがし、
やっと私はラダックの人びとの喜びや笑いがなんなのかということがわかりはじめた。
純粋に、何ものにも妨げられない、生命それ自体への感謝なのである。
心の平安、生の喜びを生まれながらの当然の権利であると感じている人びとを、ラダックで私は知った。
共同体や大地との親密な関係が、物質的な富や技術的な洗練などを超えて、
人間の生活をとても豊かにすることができるのだということを知るようになった。
別の道も可能だということを学んだのである。
■ラダックの社会における「広がりのある自我」の感覚は、
西洋文化における個人主義と対照をなしている。
■螺旋を描いて回帰する
■経済のローカル化は、お互いの、
そして私たちが属する自然界との相互依存の織物を再び織りなすことによって、
人びとと地球の両方を癒すもっとも戦略的な道だ。
ラダックは、人びとの生活の中に息づく相互依存こそが喜び、幸せ、
満ち足りた気持ちをもたらすことに、目を見開かせてくれた。
その地での私の活動は私に、もっとも深く、もっとも根本的なレベルで、
ローカリゼーション(局地化・局在化)こそが、幸せの経済学であることを示してくれたのだ。
:グローバル化と言われたり、人口減少や高齢化が問題とされる昨今。
ヒントとなる事象かと思います。
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こう記述してきて改めて、
ラダックに行く前に本書を読んでよかったと思います。
強くおススメできる本だと思います。
よかったら手にとってみてください。
帰ってきたら、現地の画像を織り込みながら
感想や思いを書きたく思います。